「ノースタイル・ノーマインド」
何事も形から入ることが良いとは思いませんが、心が形に影響を受けるのもまた事実。 オヤジギャグ的に言えば、「衣」は「意」を作るというところでしょうか。
想像してみて下さい。 白衣の無い世界。 私たちの製品が売れない!! ゾッ イエイエ、それより大事なことは気持ちの切り替えが出来ないこと。 4時間目の授業が終わった。サァ給食。お腹減ったね。 でも、給食当番はちょっと違います。 小さな給食衣を身に着けたとたん大きな責任も身にまといます。 人気メニューを配るときには、自分も少し偉くなった気がして、、。 平等に、平等に。 みんな待ってる。早く、早く。 きちんと座って待っていてね。 白衣は、作り手と配り手として先生と子供たちが対等に給食に参加するための、アイテムなのです。 給食衣を次のお当番さんに渡すことで、責任もバトンタッチしているのですね。
私たちは製品に子供たちの成長への願いをこめられたら、と考えています。
例えば給食衣のカラー化。 学年毎にカラーを変えて使っていただいている学校が増えています。 「給食風景が明るくなった。」 「先生方がカラーを見て学年に合わせた指導をしやすくなった。」 とうれしい声をいただくその中に、 「ピンクの子がとまどっている。助けてやろう。」 「今年はピンク。4月からはイエローだ!」 そんな子供たちの姿。 自立や自覚のお手伝いが出来ているのかな。と、ものづくりの喜びを一番感じるときです。
例えばエプロン。 紐が結べない子供って実は結構多いんです。特に学校に入ったばかりの新一年生。 実は紐をなくすことは簡単です。ひもをマジック仕様にするだけで、園児でも着られるエプロンが作れます。 でも私たちはあえて紐にこだわりたいと思います。 だってそんなに高いハードルではないでしょう? そしてそれが出来たことで広がる可能性の方が大きいと思うからです。
それは例えば予備ボタン。 意外に気づいていない方も多いのですが、ボタン式の給食衣には1個予備のボタンを取り付けています。(左前身ごろのすそのほうをひっくり返してみてください。内側に1個、ボタンが縫い付けてあるはずです)。昔はワイシャツなどでも良く見かけましたが、価格競争のためでしょうか。近頃めっきり見かけなくなりました。 でも子供たちの衣料には必要だと考えます。元気すぎる子供もいれば、少し不器用な子もいる。 入念に縫製してはいますが、千切れてしまう事も、、。 先生や保護者の方がボタンを探して小物やさんを廻ったり、一人だけ茶色のボタンをつけた子がいたり、そんな苦労が予想されるのならば、解消したいと考えました。 そしてなにより「もったいない」のこと。壊れたり、破れたりしたものも、修理すればまたちゃんと使える。そのことを、ボタン1個のことですが、子供たちがふと考えてくれたらと思っています。
だけど、忘れてならないのは、ハンディキャップを持った子供たちのこと。 それは紐を結ぶ、ボタンを留めるといった努力目標とはおのずと違う話ですね。 私たちはハンディを持った子供たちが当たり前に給食に参加する喜びを得られるために、全力でサポートしたいと思います。
例えば手の不自由な子にはエプロンの紐をマジックにするだけでは足りないかもしれない。 後ろで止められないなら、紐を長く伸ばしてお腹のマジックでとめてもらう。紐とゴムを組み合わせてただかぶるだけの仕様にする。
例えば前ボタン式のボタンをとめられない子もいます。 ボタンとボタン穴を大きくしたらどうでしょう? あるいは、ボタンは飾りにしてマジックでとめる。
出来るだけ元のデザインを変えない。少しだけお手伝いをする。 だから全体の中で浮いてしまわない。一見なんでもないことが、実はとても大切なことだと、考えています。
私たちの願いは、すべの子供たちが等しく平等に、給食に参加する喜びを感じてくれることです。

「衣育」には、明確な定義はありません。
しかし「衣育」は、私たちの日々の行動の指針なのです。
|